ホームへ もくじ          10
イヌ科イヌ属の家族と暮らす


  まだまだ知らない我がコの可能性

大喜びではしゃいでいる時も、ガウガウで他のイヌ属に向かって行く時も、どちらも、同じ「興奮」なので、決して良い事ではないのです。出かける前にオモチャを鳴らしてはしゃぐスピンクが、外で「ガード」に入ってしまうのは、当然でした。出かける前は、興奮させないのが鉄則です。

写真「興奮」を落とすには、音でも指示でも、そのコにあった方法があります。キューティーとシードは、「反応」で興奮します。スピンクの大はしゃぎを止められたら、案外、問題はなくなりました。多頭飼いの場合は、「興奮」のきっかけを作ってるコが一体誰なのかを見極めるのも大事ですね。

パックが落ち着いた精神状態になってから外に出たら、万一、出先でのアクシデント(他のイヌ属に追いかけられる、飛びつかれる、吠えられるなど)があっても、いきなり「興奮MAX」にはなりません。ワンにも自分にもかなりの余裕が生まれます。その隙に指示を出し、座らせたりダウンさせたりすれば、危険を回避できます。

ふだんの生活の中ではつい見逃しがちなことですが、喜んではしゃぎまわることも、やはりやめさせていくことが大事です。お散歩やドッグランで問題を感じる方は、まず家の中を見直してみてください。そして、家の中ではイイコだなぁ、と思っていても、見逃しがないかどうか考えてください。例えば、ご飯やオヤツ、オモチャを渡さない、自分のケージやベッドなどのスペースを守る、など、ひとつでもあったら必ず他の行動と関係しています。

スピンクとの関係を見直してみて、ものすごく大きな変化がありました。もともとパピーのころから甘えたりするコではなかったのに、「幼児退行??」と思うくらい、甘ったれになりました。スピンクは無理して、頑張って「ガード」をしていたんだと思います。私との関係が変化し、「ガード」をする責任を放棄できたので、本来のスピンクらしいベタベタの甘えっ子の性格がやっと現れたのだと思います。

「我がコってこんなコ」と思っている方、実は我がコには、まだまだ全く知らない可能性があるかもしれませんよ。 スピンクとキューティーは、まだ4歳。シードもまだまだ7歳です。ひとつが解決しても、また次があるでしょうし、逆に無限の可能性も伸ばしてあげたいと思っています。

イヌ科イヌ属の家族と暮らすことが、全てのワンとヒトの喜びであるように。ヒントが必要なワンコと保護者の方がいらっしゃいましたら、いつでもメールをお待ちしています。そして、これからもレスキューに関わって、全てのイヌ科イヌ属とその他の生き物の幸せを追求していこうと思います。(了)

※『SPINK,CUTIE&SEEDの凸凹な毎日』2011年8月のブログを加筆修正しました。


Copyright © 2011 save-wan-nyan.com All rights reserved.