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イヌ科イヌ属の家族と暮らす

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  キューティーが仲間入り

スピンクは、いわゆるオスワリ、フセ、マテなどは1〜2時間もやればできるようになりました。ただ、ひどいハンドシャイで、どの高さ、角度から手を出してもヒトの手を避けるので、パピーだったスピンクをなでたりダッコしたりした記憶はあまりありません。なんだかオトナびたパピーだったんですが、ワンコは大好きで、見かけると駆け寄って行きました。とにかくぴょんぴょん飛び跳ねるスタンプー。そのテンションの高さに、引かれることもしばしばでした。

そんな時に根気よくつき合ってくれたのが、ご近所に住むパピヨンのゲンちゃんでした。距離感が絶妙で、しつこくしたりやりすぎたりすると叱ってくれて、大喜び・大はしゃぎのスピンクを上手にあしらってくれました。スピンクが、自分よりずっと小さなコたちと上手に遊べるようになったのは、このゲンちゃんのおかげです。小さいコにケガをさせないように、私も「遊びたかったら追いかけない、手をかけない、座って待つ」を徹底して教えました。

その後、スピンク以上に小さいコが好きなキューティーが我が家に仲間入りしたのですが、スピンクがルールを守っていたのでキューティーもすんなり覚えてくれました。キューティーは、自分より小さいコと遊ぶ時、追いかけたくても足踏みして我慢しますし、手はかけません。ときどき我慢できなくて、鼻先でちょんちょんとつつくことはありますが。

スピンクが一人っ子だった1歳までは、何か問題を感じたことはありませんでした。だから、スピンクは大丈夫だろうと思っていました。里親探しをするために我が家にキューティーが来た時も、病院での検査の結果、「譲渡は無理そうだ」となったキューティーを我が家に迎え入れると決めた時も。

確かに、スピンクは初対面の時から満面の笑顔でキューティーを迎えました。「ビビりー」で、ひとりでは何もできないキューティーがストーカーのようにつきまとっても、突き放したことはありません。そういう意味では、とてもうまく多頭飼いになったと思います。ただ、家族が増えて何の問題もなかったかというと、そうはいきませんでした。

キューティーがやって来たのは、スピンクが我が家に来て半年が過ぎ、そろそろ去勢手術を、と考えていたころでした。スピンクとキューティーは同胎です。それなのに当時の体重は、スピンクの22kgに対し、キューティーは13kg。完全に栄養失調で、神経障害も出ていたキューティーは、去勢手術どころか狂犬病の予防接種もワクチン接種も見送らざるを得ませんでした。そして、その当時の主治医が去勢について言ったこと、これがその後、かなり尾を引くことになったのです。続く→

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